初診日 エピソード①
障害年金を申請するための受給要件として「初診日」というのはとても大事なことです。「初診日」とは障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日を言います。
医師の初診日を証明するためには「受診状況等証明書」の提出が必要になります。(診断書と同一病院の場合は不要な場合有り)医師はカルテに基づいて証明書を記載してくれます。
安心したいところですがどれくらい前まで可能なのでしょうか?患者さんのカルテの保存期限はどうでしょうか?なんと保存期限は5年です。これでは重症化するまでに年数を経た場合に、医療機関によっては「カルテが破棄されたので証明できません」ということになってしまいます。
若い時から糖尿病に悩まされてきたBさん、いくつもの医療機関にかかり、40代後半にして糖尿病性腎症から人口透析療法を受けることになりました。
人工透析の場合はほぼ障害年金2級が該当します。現症については医師も診断書にそれなりの内容を記載されると想定できます。
しかし初診日を証明する手立てが見つかりません。昔職場の健康診断で指摘が有ったそうですが、診察には至っていません。そもそも初診日が国民年金加入期間なのか、厚生年金加入期間なのか?つまり、障害基礎年金なのか障害厚生年金なのかの判別も出来ません。
幸いにもBさんは医師の証明を辿っていったところ紹介状等の記載も有り初診日を明確にできる「受診状況等証明書」を作成してもらえることになりました。更に初診日が分かれば障害認定日(通常初診日から一年半後)における医療機関とその時点の症状が障害等級に該当すれば遡及請求も可能かも知れません。
それにひきかえ、どうしても医療機関の初診日証明が取れない場合ですが「受診状況等証明書が添付できない申立書」とともに初診日を証明または推定できる書類を添付して申請する方法が有ります。諦めずに過去を振り返って整理をすることが大事です。第三者証明という方法も有ります。何が手掛かりとなるかは分かりません。もちろん日常から過去の診察券や領収書、お薬手帳など保管されておくことは大切です。