コラム

初診日 エピソード②

障害年金を申請するための受給要件として「初診日」というのはとても大事なことです。

「初診日」とは障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日を言います。

ただし、障害の原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日になります。

今回は生まれながらの知的障害や二十歳までに症状があった方から相談を受け、現在の傷病の初診日が変わったことにより「二十歳前障害基礎年金」を受給された例をご紹介します。

軽度知的障害で20代半ばのB子さん、障害者雇用で働きはじめましたが思うように業務に溶け込めず「うつ病」を発症してしまいました。知的障害+うつ病は一般的に因果関係有りとみなされます。障害厚生年金の対象とはなりませんでしたが、二十歳前障害基礎年金として(障害認定日が20歳となるため)遡及申請の結果、20歳に遡っての受給となりました。

高校時代より「大腸性潰瘍炎」で悩んでいた30代のC子さん、20歳以降「うつ病」「双極性障害」も発症しました。仕事に行くことも出来ません。5年前にはご自分で障害厚生年金の申請をされ不支給(3級不該当)になっています。今後の就労も見込めず親の援助に頼っています。ですが今回改めて申請したところ、高校時代の疾病も同一障害と判断され二十歳前障害基礎年金(障害等級2級)と認定されました。

二十歳前障害は障害基礎年金1級または2級なので、状況によっては必ずしも有利に働くことばかりでは有りません。しかし救済される事例が沢山あります。またこの事例はお二人とも納付要件を満たしておりましたが、特異な場合では(例には挙げておりませんが)納付要件を満たしていない方が二十歳前障害として初診日を明確にすることにより、受給に至ることもあるのです。

難しい!面倒!!と可能性を諦めずに専門家に相談をしてみることをお勧めします。